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もし自分が何かを汚してしまったとき、私たちは拭いたり着替えたり自分で対処することができます。しかし介護を必要とされている利用者様はどうでしょうか?食事や排泄で衣類が汚れてしまっても誰かに頼む以外に清潔にする方法がなかったら、どうするでしょうか?
衣類やシーツが明らかに汚れていても、尿漏れでズボンまで染みてしまっていても、汚した自分が悪いから・余計な仕事をさせるのは悪いから・介助や洗濯で家族に負担をかけたくないからと我慢をしてしまう利用者様が多くいらっしゃいます。
訪問介護の場合は、ご家族と同居されていたり、ケアプランやケアに入れる時間の制限によって遠慮されたり、ヘルパーからお声掛けをする事が難しい場合があります。人によっては、着替えを促されると汚いと言われているようで不快な思いをされるかもしれません。
もちろんご本人様の意思が大前提ですが、毎日生きていく中で、羞恥心や気遣いから我慢をしていることが頻回であるほどに助けが必要かもしれません。清潔を保持することは尊厳を守ることでもあるからです。
人の手を借りることや、心地良い生活を守るために誰かに相談をすることを、私たちは恥ずかしいことだと思いません。私たちヘルパーは人の力になりたいという思いで働いていますので、利用者様の生活をより豊かにすることはとても喜ばしいことです。
今以上にケアを増やすことは、時間の調整が必要だったり、ケアプランの変更のために複数の機関と連絡を取り合ったり、書類にサインをしたり、面倒なことも多いかと思います。
しかし、ご自身やご家族がご自宅での生活を維持していくなかで気になることは気軽にご相談いただけると幸いです。信頼関係を深く築くことができる訪問介護だからこそ寄り添えることがたくさんあるということを知っていただきたいです。
最近は、色々と行うことがあり、読書する時間もあまりとれず、本もたまる一方ですが、最近読んだ本の一つを紹介します。
タイトルは、銀の猫・作者・朝井まかて氏直木賞作家です。内容は、江戸時代の介護をテーマとした小説です。あらすじは、嫁ぎ先から離縁され、母親と暮らす、お咲。彼女は年寄りの介護を助ける、介抱人のプロ。江戸の家族や、お咲と接するお年寄りとの中で、終末期やお年寄りから教えられる人生の教訓。平均寿命は、今に比べて大分短いが、その中でも案外現役長寿の方々もおられ、その方々の江戸の様子や案外介護事情が進歩的で、武家社会も介護に対して寛容な様子が良く描写しており、今の自分の職業との対比や教えられることが多い1冊です。
時間があれば、是非、一読を。
ビジネスやスポーツの世界では、心技体というキーワードがよく使われています。
それぞれの分野において言葉の定義は異なっているところはあるのですが、一般的には、心の状態、知識や技能、体の状態が整っている時に最高の力を発揮できるという考え方のようです。バランスよく能力を発揮させるには、日ごろからの心がけや行動が求められることと思います。介護の仕事を行うにもこれらは当てはまります。
心のあり方については、自分が何のために仕事をしているのか、ということについての強い(あるいは筋の通ったという方が良いでしょうか)芯となる考え方がとても大切だと思います。ビジネスの世界では、他者の幸福を願う気持ちで行動する時に、自分も幸福になれるという原則が強調される時があります。
有名なイソップ寓話の3人のレンガ職人の話があります。ある旅人が、旅の途中で3人のレンガ職人に出会います。この旅人が「何をしているんですか?」と尋ねると、1人目は「言われたとおりレンガを積んでいるんだよ」
2人目は「レンガを積んで壁をつくっているんだ。賃金がいいからね」
3人目は「教会の大聖堂をつくってるんだ。この仕事に就けて光栄だよ」
三者がそれぞれの心のありようを表していますね。3人の職人の仕事に関わるスタンスの違いによって、いずれは仕事の結果にも差異が出てくることが感じられます。 1人目の職人は目的意識がありません。2人目の職人は仕事の目的は生活の為と定義しています。3人目はどうでしょうか。おそらく偉業に携わる仕事に携われることを特権と感じていますね。3人目の職人、もちろん素晴らしいですが、次回、別の視点からも現代においては求められる心技体の心のあり方について、どのように仕事に取り組んだら良いか、お伝え出来ればと思っています。